3月の仕事机から

19日、表参道スパイラルでの会「野蛮な魂に自信をもつ」にご来場くださった皆さま、ありがとうございました。自分の詩を読む声はいつも自分の声なので安心ですが、緊張すると、通常営業に輪をかけて淡々と進行してしまう癖があります。もっと会場の人に野蛮な魂を授けたかったんだけど。(もちろん、淡々とすることと、野蛮な魂とは、矛盾しないのだけど。)第一部では私の動物表現との出会い、狼王ロボやハチ公物語の話をしました、ね。あとスペイン語で「テロリストたち」を読んだり、ね。第2部は座談会と朗読が平行して行われるというパフォーマンスで、私はどちらかというと座談会ばっかり聞いてしまいました。でもたまに座談会の会話の流れからストーンと朗読の声に、その逆に、耳が自然とBack to backする瞬間があって、気持ちよかった。そしてTOLTAは詩のことばをはっきり選んで批評してくれるので安心でした。しかし刊行から一ヶ月経っても、どこかで詩集が売られたり読まれたりしていることを考えると、そわそわしてきます。椿や桜も咲いてきたりして、そわそわさせやがる。



3月30日の読売新聞夕刊に、詩「マスクとイヤホン」が掲載されています。花粉のとぶこの時期はとくに、マスクしてイヤホンもしてる人をよく見かけるけれど、あれ、どこかしらイスラム教のブルカをまとっている人のように、ひとつの宗教的な装いのように見える気がしませんかという、そんな話(じゃなくて詩)です。卒業シーズンの話(じゃなくて詩)でもあります。

4月は、大島健夫さんと山口勲さんのご長寿オープンマイク朗読イベント、千葉詩亭にゲスト出演いたします。千葉の皆さまよろしくお願いします。

で、5月はこれ!

そして昨年秋からこつこつと準備している朗読劇も5月11日(金)の開催です。タイトルは「リリーの魔法と好奇心について」。動物園から脱走したゾウガメのお話です、子どもたちにもみてほしい作品です。これは素敵なチラシを準備中なので、来月から怒濤の宣伝を開始する予定です。

ずーっと耳鳴りのように聞こえていたキューバの音楽がようやく少しずつ鳴りやんで、寂しいような、ほっとするような、ともかくここからまた次の住みかを探しはじめなければなりません。初台でみた谷川俊太郎さんの展示はあっけらかんと、西荻でみた坂本千明さんの展示はしんしんと、こんな住みかもあるよ、と教えてくれているみたいだった(ちなみにそのどちらの街にも住んだことがある……)。絶望の果てのあっけらかんとしんしんに、すこし泣く。自分について喋るとき私たちは必ず失敗するのだから、ベケットがFail better.と言ってくれたのを頼りに、また喋る。
 
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